比較演算子は、その名前が示すように、二つの値を比較します。
例 | 名前 | 結果 |
---|---|---|
$a == $b | 等しい | $a が $b に等しい時に TRUE。 |
$a === $b | 等しい | $a が $b に等しく同じ型でである場合に TRUE (PHP 4 で導入)。 |
$a != $b | 等しくない | $a が $b に等しくない場合に TRUE。 |
$a <> $b | 等しくない | $a が $b に等しくない場合に TRUE。 |
$a !== $b | 等しくない | $a が $b と等しくないか、同じ型でない場合に TRUE (PHP 4 で導入)。 |
$a < $b | より少ない | $a が $b より少ない時に TRUE。 |
$a > $b | より多い | $a が $b より多い時に TRUE。 |
$a <= $b | より少ないか等しい | $a が $b より少ないか等しい時に TRUE。 |
$a >= $b | より多いか等しい | $a が $b より多いか等しい時に TRUE。 |
整数値を文字列と比較する際、文字列が 数値に変換されます。 数値形式の文字列を比較する場合、それは整数として比較されます。これらの ルールは、 switch 文にも適用されます。
<?php
var_dump(0 == "a"); // 0 == 0 -> true
var_dump("1" == "01"); // 1 == 1 -> true
var_dump("1" == "1e0"); // 1 == 1 -> true
switch ("a") {
case 0:
echo "0";
break;
case "a": // "a" は 0 にマッチするので、決してここにはたどりつきません
echo "a";
break;
}
?>
多くの型では、以下の表に(上から順に)したがって比較が行われます。
第 1 オペランドの型 | 第 2 オペランドの型 | 結果 |
---|---|---|
null または string | string | NULL を "" に変換し、数値または文字として比較します |
bool または null | あらゆる型 | bool に変換し、FALSE < TRUE と判断します |
object | object | 組み込みクラスには独自の比較基準が定義されています。それ以外の クラスは比較できません。同じクラスであるかどうかは - プロパティが 同じ値であるかどうかを配列形式で比較(PHP 4)、PHP 5 では ここで説明されています。 |
string, resource または number | string, resource または number | 文字列やリソースを数値に変換し、算術演算を行います |
array | array | 要素数の少ない配列のほうが小さくなります。オペランド 1 のキーが オペランド 2 に存在しない場合、配列は比較できません。そうでない場合は 個々の要素の値を比較します(以下の例を参照ください) |
array | あらゆる型 | array のほうが常に大きくなります |
object | あらゆる型 | object のほうが常に大きくなります |
例1 一般的な配列の比較
<?php
// 標準の比較演算子を用いて、配列はこのように比較されます
function standard_array_compare($op1, $op2)
{
if (count($op1) < count($op2)) {
return -1; // $op1 < $op2
} elseif (count($op1) > count($op2)) {
return 1; // $op1 > $op2
}
foreach ($op1 as $key => $val) {
if (!array_key_exists($key, $op2)) {
return null; // uncomparable
} elseif ($val < $op2[$key]) {
return -1;
} elseif ($val > $op2[$key]) {
return 1;
}
}
return 0; // $op1 == $op2
}
?>
strcasecmp(), strcmp()、 配列演算子, マニュアルの 型 のセクションも参照してください。
もうひとつの条件演算子として "?:"(あるいは三項)演算子があります。
例2 デフォルト値を設定する
<?php
// 三項演算子の使用例
$action = (empty($_POST['action'])) ? 'default' : $_POST['action'];
// 上記は以下の if/else 式と同じです。
if (empty($_POST['action'])) {
$action = 'default';
} else {
$action = $_POST['action'];
}
?>
(expr1) ? (expr2) : (expr3) という式は、式1 が TRUE の場合に 式2 を、 式1 が FALSE の場合に 式3 を値とします。
PHP 5.3 以降では、三項演算子のまんなかの部分をなくすこともできるようになりました。 式 expr1 ?: expr3 の結果は、expr1 が TRUE と同等の場合は expr1、 それ以外の場合は expr3 となります。
注意: 三項演算子は式であり、値としては評価されずに式の結果として評価される ことに注意してください。演算結果をリファレンスとして返したい場合に、 これを知っておくことが大切です。結果をリファレンスとして返す関数で return $var == 42 ? $a : $b; とすることはできず、 新しいバージョンの PHP では警告を発生します。
注意: 三項演算子を "積み重ねて" 使用することは避けましょう。 ひとつの文の中で複数の三項演算子を使用した際の PHP の振る舞いは、 少々わかりにくいものです。
例3 三項演算子のわかりにくい挙動
<?php
// ぱっと見た感じでは、これは 'true' と表示されると思うでしょう。
echo (true?'true':false?'t':'f');
// しかし、実際には上の出力結果は 't' です。
// なぜなら、三項演算子は左から右へ順に評価されるからです。
// 上のコードをもう少しわかりやすく書くと、このようになります。
echo ((true ? 'true' : 'false') ? 't' : 'f');
// まず、最初の式が 'true' と評価されます。この 'true' は
// (bool)true と評価されるので、それをもとに二番目の三項
// 演算子が評価されます。
?>